
『永遠の0』と『海賊とよばれた男』から読み取れる右傾化
여러분 안녕하세요. みなさんこんにちは。
アンナです。
今日も訪問ありがとうございます!
前回の記事では『永遠の0』と『風立ちぬ』を通じた日本の戦争記憶に関する論文を取り上げましたが、
今回は『永遠の0』と、同じく百田尚樹氏の文学作品『海賊とよばれた男』に関する韓国の論文を取り上げます。(今回は文学の方です)
こちらも同じく概要、あらすじ等については充分に紹介されているサイトなどがあると思いますので、省いています。
『永遠の0』
この作品によって日本の「愛国精神」と「戦争加害希釈」が示されていたと指摘しています。
*愛国精神
死が身近にある、壮絶な戦場においては、誰もが「生きて帰りたい」という思うはずで、そんな場において愛国精神とは見かけが良いだけの言葉であるにも関わらず、
「家族のために」ひいては「国のために」戦った大正世代を「偉大な世代」と褒め称えている。
*戦争加害希釈
日本人の悲劇的な体験だけを強調して感情に訴えている。また、特攻機の交代や、上官に反抗した者が特攻訓練の教官を続けるなど、歴史的にリアリティーのない内容も含まれている。
そして読者たちは「感動した、泣いた、涙を止めることができなかった」と評価しており、世界大戦を起こした加害者としては読まれていない。
『海賊とよばれた男』
作品の中で「日本人」の叙事詩が描かれていたと示しています。
戦後の日本の企業家たちが国家再建を目指して奮闘した姿が描かれており、現代日本人にプライドや闘志、義理などを呼び起こさせるような内容になっています。
また、読者に、なんのために仕事をするのか、仕事をするとは何を意味するのかを再考させる機会を提供する、国の運命を背負った英雄的な存在として主人公が描かれています。
日本の右傾文学作品をどう見るか
右傾文学作品は歴史を学んで自身の主張を考えてみるのではなく、自身の主張を正当化するための歴史利用に過ぎない点に警戒しなければなりません。
『永遠の0』は実存しない人物、『海賊とよばれた男』は実存する人物が描かれたものの、どちらも読者に歪曲した歴史事実が受け入れられています。
日本の民族性を再評価して再建する姿が描かれ、繰り返し「美しい国、日本を守るために命を捨てた覚悟を持たなければならない」と感情に訴えることで、現代の日本人たちに歪曲した民族主義意識を与えているのです。
日本の根深い歪曲された歴史認識と民族主義認識は、このように日本の文学と文化に表れており、正しい認識と歴史精算の妨害をするものだと指摘しています。
論文*
노윤선, 「햐큐타 나오키의 『영원한 제로(永遠の0)』와 『해적이라 불린 사나이(海賊とよばれた男)』 고찰」, 『일본문화학보』, 한국일본문화학회, 2018.